千客万来の仕組みをつくるお金の使い方

企業の7割、病院の9割が赤字となっています。一方、1割の企業は、いつの時代も人も羨むほどの利益を出しています。サービス業の勝負の決め手は、例えば、閑散期であっても千客万来の仕組みができるかどうかです。最初に、そのモデルになったのは、青梅慶友病院でしょう。
 その後、多くの病院がベンチマークして、病院のサービスレベルを上げることに貢献したと思います。








病院名青梅慶友病院
住所東京都青梅市大門1丁目681番地
病床数736床
介護保険病床: 445床
医療保険病床: 291床
診療科目内科(特に老人性及び慢性疾患)
リハビリテーション科 精神科
代表者名大塚宣夫
職員数職員数:573名(常勤換算)(H27.3.1現在)


大塚会長は、慶応大学医学部精神神経科で学んだ後、井之頭病院に勤務し、その後、渡仏して勉強した後、昭和49年に友人から相談を受け、初めて老人病院が収容所のような場所であることを知りショックを受けました。また、日本では将来高齢者ケアをめぐる負担が重く社会にのしかかることを知り、理想的な高齢者施設をつくらなければならないと決意し、地元の有力者等の協力を得て昭和55年に青梅慶友病院を立ち上げました。慶友病院のコンセプトは、「自分の親を安心して預けられる施設」をつくることを基本理念とし、お預かりした高齢の患者を入院時よりできるだけ元気な状態にすることにより、本人に豊かな最晩年と「大往生」を提供するだけでなく、その家族のうしろめたさを払拭し、家族をも豊かにすることを目指しています。

具体的には、患者に苦しみを与えるような過度な医療行為は敢えて行わない、徹底した個別対応を行い患者の個性を尊重する、様々なイベントを企画し豊かな生活を送っていただく、面会時間制限を設けず家族との絆を深く保つことなど、旧来の病院の常識にとらわれず、徹底して患者の満足を追及して、2年間の待ちが出る人気病院です。最近では、三国連太郎さんが晩年を過ごしたことで有名になりました。

大塚会長が、抵抗がある中で、職員に示したのは、医療と生活のウエイトの逆転です。

まさに、人生の晩年を輝かせるといった思いで、単なる延命ではなく、生活の充実に重点を置いています。生活に重視した事業コンセプトで、医療よりも生活に重視し、これらを通して医療・介護・生活を一括して提供することで、一度お預かりした患者と家族の関係を良くし、大往生へのストーリーをつくっています。青梅慶友病院の大塚会長と私の恩師の嶋口先生は、非常に親しい関係にあり、間接的に嶋口先生を通して大塚会長が言っているケースには書いていないこともお聞きしていますが、嶋口先生によれば、千客万来の仕組みをつくることがビジネスでは非常に重要だと言われます。

千客万来が、何故、いいのか?例えば、ホテルでは、満室であれば必ず利益がでます。空けておいても、空気に泊まっていただいても利益を生みません。また、どれだけ予算を使ってもいいか?の計画を立てることができます。

では、どのように千客万来の仕組みをつくるかですが、事業コンセプトに基づいて、具体的に何をやっているか?がお客様が選ぶかどうかの判断基準になります。お客様に来てもらうために行う資源配分が重要です。

青梅慶友病院は、クチコミや紹介で満室になります。

本ブログで紹介した

益田ドライビングスクールは、島根県の過疎地で6000名の教習生を集めて満杯

感動の自動車教習所 武蔵境自動車学校6000名の教習生を集めて満杯

感動の美容室バグジーも平日も満杯です。

お金の使い方が重要です。益田ドライビングスクールでは、アロマ、お茶室、ゴルフ練習所、バーベキュー、ネールサロン、マッサージ室、その他、これでもか?と思える位、免許を取るといった目的以外の周辺サービスにお金を掛けています。そして、クチコミや紹介で全国から教習生が集まります。ボランティアを行えば、Mマネーという益田ドライビングスクールだけで使える仮想のお金も貰え、卒業するまでの2~3週間1円も使わないで済む教習生もいます。ボランティアで、掃除その他を行いますので、お掃除の会社の発注するよりもコストは安いと言います。

教習生の躾、教育にもなり、且つ、余分なお金を使わないで済むこともこの仕組みの魅力です。年間何千万かの費用は掛かりますが、以前、教習生を集めるために、代理店(エージェンシー)を活用していた頃よりも費用は少なく済んでいるそうです。

武蔵境自動車学校は、紹介中心にポイントを付与します。バグジーもチラシを駅で配いたり、最近は、スマホで安売りといったことはやりません。リピートと紹介の仕組みづくりに熱心です。

世の中の多くの会社は、TVのCMが費用対効果が低くなり、ネットに移行しています。しかし、さらに進めて、お客様にお金を使い、ビックリするくらいのサービスを提供して、クチコミ、紹介で千客万来の仕組みをつくることも選択肢としてあります。

億単位のマーケッティング費用を使っている会社もあります。しかし、感動のサービスを生み出すところに資源注入すれば、様々なメディアで取り上げられ無料で宣伝されます。そして、集めなくても集まってくるといった千客万来になっていきます。

しかし、講演会や研修会でお話をすると、
「多くの人は、理屈はわかるが・・・」といった反応になります。

例えば、「青梅慶友病院のように、婦長さんに、月150万も入居者のために使えるかと言えば、まだまだ、踏み込めないだろうな~」といった反応でした。

そこで、実際に視察研究をした企業の事例を複数を上げるとビックリされ、さらに、一緒に視察に行くと納得されます。

採用費用も同じです。紹介や採用媒体に多くのお金を使うよりは、学生が毎年、必ず、採用希望で訪れる会社を目指すべきだと思います。

【筆者プロフィール】
藤井正隆
株式会社イマージョン代表取締役社長

人を大切にする経営学会理事・事務局長


社会性と経済性を両立させた経営を実現している「いい会社」研究と変革支援がライフワーク。大学院の特任研究員として活動し年間100社以上の全国各地の優良企業を現場視察し、経営学を中心にそのメカニズムを研究。企業事例と理論を融合しわかり易く伝えている。

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