古くして新しきもののみ 永遠にして不滅

昨年末12月27日、ご挨拶と日本でいちばん大切にしたい会社大賞の基調講演のお願いに、ニチイ(後のスーパーマイカル)創業者西端 春枝さんに行きました。現在、イオン 岡田卓也氏、ダイエー中内功氏 他が、当時、西端さんたちと一緒に、商業界で学んだメンバーであることを考えると商業界が、流通業を中心とした日本のリーダーに大きな影響を与えたことを改めて感じました。

西端春枝事務所の応接室には、「店は客のためにある」という言葉を残したことで知られる商業界の倉本長治さん(1899(明治32)~1982(昭和57)。商業界元主幹)の大きな顔写真が飾られています。

もう一人、商業界で大きな功績を残された新保民八さん(1901(明治34)~1958(昭和33)年。主筆、後に副社長 元花王石鹸常務取締役)の有名な言葉に以下の言葉があります。

『 正しきによりて滅びる店あらば 滅びても良し断じて滅びず、古くして古きもの滅ぶ  新しくして新しきものまた滅ぶ 古くして新しきもののみ 永遠にして不滅 』

多くの企業を見て回っていると「古くして新しきもののみ 永遠にして不滅」は、商売、ビジネスの本質を言い表しているように感じます。

「古いもの×新しいもの」=「価値創造」



古いもの=人間が持っている普遍的な価値観 新しいもの=新しい切り口、新しい提供に仕方、

お客様から支持されている会社や商品サービスは、この法則が当てはまることが多いことに気づかされます。








会社名株式会社マコセエージェンシー
住所鹿児島県鹿児島市上之園町25-33
資本金 10,000,000円
事業内容総合広告代理店

総合広告計画の企画・立案・実施
テレビ広告・新聞広告・折込広告・インターネット広告・ラジオ広告
雑誌広告・交通広告・屋外広告(看板)・求人広告
オリジナル会葬礼状の作成・会葬パネルの作成
フューネラル関連商品のご提案
代表者名五十嵐 芳明
従業員数133名(うち平成28年度 新卒採用8名)(平成28年4月1日現在)


企業事例として、坂本先生から教えていただいた鹿児島のマコセエージェンシーについて情報提供します。

マコセエージェンシーは、遺族から故人との思い出を聞き取り、生前のエピソードを交えた礼状を作成している会社です。

私自身、女手ひとつで育ててくれた母親も十数年前に他界しましたが、マニュアル的に進められる葬儀と、標準的な会葬礼状が読み上げられることに物足りなさを感じていましたが、こうしたものだと当たり前に受け入れていたことを思い出します。

マコセエージェンシーの五十嵐芳明社長は、20年ほど前から、葬儀で心のこもった遺族の挨拶を聞くと「活字で残したい」と思うようになったそうです。その理由の一つは、葬儀場の近くで会葬礼状が捨てられているのも見たからです。そこで、オリジナル会葬礼状の作成を思いつきます。2002年に始めたこのサービスを開始しても、なかなか依頼する葬儀社はありませんでした。余計な手間が増えることを理由に、否定的な反応をする葬儀社が多かった。そんなおり、最初に依頼したのが、坂本先生の代表的著書「日本でいちばん大切にしたい会社」でも紹介された仙台の清月記です。契約した葬儀社の遺族アンケートで「いいお別れができた」と回答が寄せられると、クチコミでも広がり、今では北海道から沖縄まで全国の葬儀社約1500社と契約し、年間約11万件の礼状を作成しています。

オリジナル会葬礼状は、契約した葬儀社が遺族に意向を確認し、希望した遺族にマコセエージェンシーの社員が電話で5〜10分間聞き取りをして600字程度の原稿にするといったことで作られます。

参列者に故人の人となりを思い起こしてもらうとともに、遺族の心の癒やしにもつながり、故人の直接の知り合いではない参列者にも、在りし日の人柄を知ることができるといった価値を生み出しているのです。

マコセエージェンシーでは、頻繁に勉強会を開き、社員の感性を磨いています。こうした地道な努力と、思いが新しい価値を生み出しました。

マコセエージェンシーのオリジナル会葬礼状は、まさに、

古いものである「人間が持っている普遍的な故人を心から見送りたいという価値観」と新しいものである「遺族の挨拶を文章化をしてオリジナル会葬礼状を提供する」により、価値が実現して受け入れられた事例だと思います。

少子高齢化、需要減少といったマイナスの言葉を聞く時代になりましたが、こうした事例を見ていると、打ち手は無数であり、新しい価値を創造することで、需要が生み出されることがわかります。

新保民八さんの本は倉本長治さんのように、多くはありませんが、商業界で講演録が出版されています。


【筆者プロフィール】
藤井正隆
株式会社イマージョン代表取締役社長

人を大切にする経営学会理事・事務局長


社会性と経済性を両立させた経営を実現している「いい会社」研究と変革支援がライフワーク。大学院の特任研究員として活動し年間100社以上の全国各地の優良企業を現場視察し、経営学を中心にそのメカニズムを研究。企業事例と理論を融合しわかり易く伝えている。

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