ヤオコー川野会長で感じる事業構想力が企業成長の差

昨日、ユニクロの柳井正CEOが話された内容を情報提供しましたが、本当に、企業のトップが何を考えるのか?が、良くも悪くも、その企業の未来を創ることが分かります。

事業構想力といえば、日本一のスーパーと言われるヤオコーの川野幸夫会長(以下川野会長)からお聞きした話を思い出しました。








会社名株式会社 ヤオコー (YAOKO CO.,LTD.)
住所埼玉県川越市脇田本町1番地5
資本金4,199百万円
事業内容スーパーマーケット経営
代表者名川野幸夫
従業員数13,099名(平成28年3月末)
(男性2,270名、女性444名、パートタイマー・アルバイト10,385名/8H換算)


ヤオコーは、埼玉県に本社を置き、実質26期増収増益の食品スーパーマーケットで、148店舗を首都圏中心に展開し、パートも含めて2万人以上が働いています。
埼玉県の小川町といった田舎で1890年八百幸商店という青果商を始めたのがヤオコーのはじまりです。
企業としての創業は、川野会長のご両親ですが、川野会長は、東京大学法学部に在学中、社会派の弁護士になって人々を助けたいといった思いを持っており、実家を継ぐ予定はありませんでした。しかし、大学に入る前の年に、お父さんがガンで他界してしまいます。その頃、調度、ヤオコーが、本格的なスーパーマーケットに展開したときだったので、お母さんを助けたいと思って、少し流通の勉強を始めたのが、この業界に入った切っ掛けです。

川野会長は、東京大学林習二教授が書いて話題になった「流通革命」、渥美俊一のチェーンストア論等に触れました。彼らがいう革命とは主権が、メーカーから消費者に変わることであり、消費者目線での改革の必要性を訴えていました。
お母さんを助けたいといった思いと、林教授と渥美俊一の流通改革といった提言を受け、小売業に入る決意をします。その時に考えていたことが、川野会長の企業哲学、理念の原点になっていると言います。(文末に紹介する川野会長自身の著書に詳しい)

<ヤオコーの理念>


生活者の日常の消費生活をより豊かにすることによって、地域文化の向上し、発展に寄与する。
・スーパーマーケットの仕事を通して世の中のお役に立つこと
・近くにヤオコーがあってよかったと地域の皆様に喜びを感じていただくこと

上記が、ヤオコーの理念ですが、他の優秀な経営者同様に、川野会長も経営理念を軸にすることが一番重要であると何度も繰り返され、さらに、その理由をお話されました。

良い会社・発展する会社の条件として、下記の2点を挙げられました。

・「明確なビジョン」があること
・ビジョンが倫理的に正しいこと

上記が、ヤオコーの理念ですが、他の優秀な経営者同様に、川野会長も経営理念を軸にすることが一番重要であると何度も繰り返され、さらに、その理由をお話されました。

良い会社・発展する会社の条件として、下記の2点を挙げられました。

・「明確なビジョン」があること
・ビジョンが倫理的に正しいこと

そして、全ての業界に共通ですが、小売業=変化適応業であり、お客様のニーズの変化を感じて、適応しないといけないと言われました。
一方、変えてはいけないこととして、志の高い明確な企業哲学・理念がバックボーンとして一環してあるとし、長いレンジで考えると着実に発展する会社であると確信しているとのことでした。

30年前に大企業が目指す会社像として、エクセレントカンパニーが言われ、成長性や収益性の高い優れた企業がたたえられました。しかし、バブル崩壊後の理想的会社像の変化し、エクセレントなだけではだめ、アドマイヤードカンパニー(尊敬される会社)でなければならいと言われていますが、ヤオコーは、アドマイヤードカンパニーを目指すと言われました。
さらに、もう少し具体的に表現すると、

おかげさまでと言われる会社
「おかげさまで」と言われる生き方(ヒトに感謝される生き方、人間的な生き方であり、人生を充実される生き方)
「おかげさまで」と言われる働き方(ヒトに感謝される働き方)
楽しく働き涯がある働き方
おかげさまで、と言われる働き方、と言われる店作り


になることが目指す姿で、ヤオコーの企業哲学です。

さらに、具体的には、どのような姿を目指すかを、日本の国民性や日本の食文化との関わりで、具体的に話されました。

まず、前提として、海外を見てみても、日本人は、世界で一番要求水準が高い。そして、日本人が好んで食べるものは日持ちが出来ない食べ物が多いことです。そのためには、週末にたくさん買い込んで大きな冷蔵庫にといったことではなく、お客様の近くにお店がなければならない。だから、お住まいの近くに昔から出店されてきたそうです。

以上のことを前提にして、

「マスコミが、日本一だといっても関係ない。お客様がいつも足を運ぶいつも行きつけているところが、良くないといけないと全く意味がない。そういった意味で、148店全てが、お客様にとって、おかげさまと言われる店といけないが、残念ながらそうなっていないので、全ての店がおかげさまと思われることを目指している」

と言われました。

さらに、

「今は、十人十色ではなく、日本の消費者の消費生活の変化があり、戦後の高度成長の中で豊かな物質生活に習熟したことから、十人十色から、十人十色 さらに、一人十色の時代であると言われ、何やになるかを問われる時代になっている。そのため、好みのはっきりした要求水準の高い生活者に選ばれるその道にプロになる、つまり専門家をはかることが大切である」

とも言われました。


川野会長は、スーパーマーケットが下記の2つのタイプでしか生き残れなくなると言われ、
1.コモディティーディスカウントSM
2.ライススタイルアソーシメント型SM

ヤオコーは、ライフスタイルアソーシメント型SMをめざし、ミールソリューションの充実したスーパーマーケットづくりを目指すと言います。
生鮮の強さにミールソリューションに加えて、「ヤオコーに行くと、今日の夕食のメニューができる」といった付加価値をつけることが、コンセプトに合った実施策だと言われます。(明治大学の野田稔さんの川野会長へのインタビューがYOU TUBEに上がっていました)




さらに、日本人の食生活は、四季折々のいろいろな食べ物に味わってきた高齢化社会の進展により、高齢者は、食による健康にも大きな関心が高く、今後、ますます、ミールソリューション型を進化させていかなればならないと考えているそうです。

また、ヤオコーは、商圏が狭いほど、お客様のニーズが違うことを意識しています。小商圏が基本としていて、個店ごとに細かく消費者のニーズを把握する努力をしているとのことです。
具体的には、従業員であると同時に、カスタマーであり、働いている従業員が一番、自分の店の商品を知り、さらに、どういうものが欲しいかの視点を持っていると言います。そのために、小さなお店で100人の女性従業員が働いていますが、その方々と定期的にミーティングを持ち、各商圏に合った品揃えを行っていることでした。

ストアーコンセプトが明確であり、一貫した取り組みを聞いていて、26期連続増収増益の理由の一端を学んだ気がします。

川野会長をはじめ、大きな成果を出している経営者の話を聞いていると、その事業構想力に驚かされます。
何屋かがわからないとお客様には選ばれない時代です。

ユニクロ柳井正CEO、ヤオコー川野会長のお話を聞いて来て、まさに、経営者は事業構想力を持って取り組むことが重要であることを再確認しました。

好業績の秘密は、創業者で、川野会長の母親である川野トモさんの「母親の愛情」と商いの本質が書かれた良書だと思います。


【筆者プロフィール】
藤井正隆
株式会社イマージョン代表取締役社長

人を大切にする経営学会理事・事務局長


社会性と経済性を両立させた経営を実現している「いい会社」研究と変革支援がライフワーク。大学院の特任研究員として活動し年間100社以上の全国各地の優良企業を現場視察し、経営学を中心にそのメカニズムを研究。企業事例と理論を融合しわかり易く伝えている。

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