2週間で心の成長を提供する益田ドライビングスクール

益田ドライビングスクールは、島根県益田市の山の中にあります。全国でNO1の教習生を集める自動車教習所で、92歳になられる小河会長が、昭和38年に田舎から都会に出ていく若者に、せめて免許を持たせ物落ちをしないで都会で頑張ってほしいと、家業を継がずに起業した会社です。








会社名株式会社コガワ計画
住所島根県益田市安富町3330番地1
資本金5000万円
事業内容自動車運転免許教習業務
ゴルフ練習場経営
岩盤浴場経営
旅行斡旋業
レンタカー業
不動産管理、賃貸業
会社経営指導に関する業務
代表者名小河 二郎
従業員数120名 (平成24年9月)

益田ドライビングスクールは、私の「感動する会社は、なぜ、すべてがうまく回っているのか」にも取り上げましたが、学校内には、美術館、瞑想ルーム、お茶室、その他文化を感じさせるサービスが数多くあり、さらに、トイレ掃除などのボランティアを行うとMマネーと言われる教習所内で使えるお金がもらえて、2週間0円でも過ごせるといった運営をしています。そして、こうしたボランティアを通して、教習生を教育をして単に免許を取るだけでなく心の成長を提供しています。この取組みにより、少しヤンチャな子もしっかり挨拶をして礼儀正しくなって帰ってくることで有名です。



さて、以前、小河会長が話されたことをお伝えします。

挨拶広場


心は、自分から開かないと周りの人は開いてくれません。
周りの人が親切なのは、あなたが親切だからです。
周りの人が挨拶しないのは、あなたが挨拶しないからです。

挨拶はほんの小さな勇気ですが、あなたの人生確実に変わります。
自分が変われば、地域が変わる
地域が変われば地球も変わる
あなたは今地域と地球のドライバー
楽しい本当のドライバー

これは、挨拶広場に新しく掲げられた言葉ですが、教習所のあちこちに様々な言葉があります。この新しい言葉は、3.11以降に教習生の質が著しく向上し、挨拶などと言わなくても自然にするようになったので、さらに、上を目指して地域と地球のドライバーになってほしいと考えたものだそうです。
そして、小河会長は、キリスト教徒ではありませんが、キリスト教の言葉を引用されました。

私は、言葉が何より大切だと思います。イエス・キリストが張り付けにされた。その時のことを思い浮かべてみて下さい。キリスト教が普及したのは、キリストが張り付けにされ、血が一滴一滴でていく。磔は、できるだけ直ぐに殺さないように、徐々にやっていく。キリストは、10何時間生きていた。キリストが死ぬまでに7つの言葉を残している。弟子もいろいろな思いがあった。必ずしも、キリストに好意的なものばかりではなく、中にはキリストを悪く言うものもいた。

1.父よ、彼らをお許し下さい。自分が何をしたか知らないのです。
悪気があったのではなく、知らないから、自分の弟子を許してください。

2.あなたは、私に一緒にこの楽園にいる。
その言葉を聞いて、弟子たちは本当に感動した。それで、10何人いた弟子たちは、世界の各地に行って、キリストは凄いと話して回った。キリストが死の直前にそういったことを言ったからだ。

仏教の経典などは深いことを言っているがキリスト教には難しいものはない。それでも、キリスト教が世界に広がったのはキリストの最後のこの言葉である。だから、何かを伝えたいと思ったとき、若いときから言葉が大切だと思っている。それで世の中が変わると思っている。

経営の話をすると、損得の事は言わない。損得は大事なことであるので私は経営者としては失格であるかもしれない。しかし、企業は収益性より社会性がある方がいいと思っている。社会にプラスになることが先だと考えながら、そうは言っても利益は大事だが収益性よりは社会性だと思っているし、今までもそうしてきたしこれからもそうしていきたい。

社会性だけでなく教育性がなければならない。その社員にプラスになる。社員の人間性の向上が大切だと思うし、そういった経営をしたいと思っている。会社を経営するとき、ヒト・モノ・カネという。私の場合は、ヒト・モノ・カネの中では、ヒトが大事だと思いながら経営をしてきた。ヒトを他と並列にするのはどうかと思う。ヒトの何が大切かといえば、その人が成長することが大事だと思う。人間は成長することが大事であり、その人が成長することによって経営が伸びる。そうしたことが大切であると思う。

ありがとうと言ってくれてありがとう。
社員とお客様。経営の場合、社員を教育してやるのが正当だが、私の場合、お客様にそうしてほしいと言ったりしている。ありがとうといってくれてありがとうとなってほしい。

ありがとうカードを書いてくれたからではなく、ありがとうと言える人になってくれてありがとうといった意味である。
海外では、THANK YOU をいう。そのため、サンキューカードをやっていた。ところが、サンキューとありがとうとは全く違うとして、ありがとうに変えた。
サンキューといえるのは、サンキューと言ってくれてありがとうというのは、成長してくれてありがとうと言う。
私たちのところにくる方は、2輪で16歳、4輪は、大半が18歳である。例えば、ガソリンを入れにスタンドにいく。年を取ると言える。ガソリンを入れてくれたお客様に店員はお礼をいう。それに対してドライバーがありがとうと言えるかどうか?18歳から15歳の方が、ありがとうと言ってくれる人になってほしい。そういったことに挑戦してきた。

サンキューは、言葉があがる。ありがとうございます。はイントネーションが下がる。
上に逃げていくのと、ありがとうは心に入っていく。イントネーションが上がっては本当に謝意を表してことにならないのではないかと思う。

計画性を持ってやったのではない。私は、いい加減な人間で、こんなんではどうしようもないので、皆に助けてもらったのだと思います。
苦労をすることが、本当に意味で教育になる。甘やかすことは教育ではない。教育は知識ではないと思っている。
いい加減とは何か?中庸とは何か?中庸は決して足して2で割るのではない。中庸とは、いいと思うことやることであり、悪いことは、絶対にやらないことである。
ちゃんとやれば、神様が助けてくれるのではないかと思う。

それにしても、こんな山の中と言っては失礼ですが、日本で一番教習生を集めるには理由があります。

90歳を過ぎても、質問にも即座に応える小河会長のお元気さ、今でも新しいことに取り組む若さは、しっかりとした思いがあった毎日を過ごされているのだろうと思います。


【筆者プロフィール】
藤井正隆
株式会社イマージョン代表取締役社長

人を大切にする経営学会理事・事務局長


社会性と経済性を両立させた経営を実現している「いい会社」研究と変革支援がライフワーク。大学院の特任研究員として活動し年間100社以上の全国各地の優良企業を現場視察し、経営学を中心にそのメカニズムを研究。企業事例と理論を融合しわかり易く伝えている。

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