島根電工荒木社長の経営リーダーシップ

島根の企業の紹介をもう何社かしたいと思います。快進撃を続ける島根電工です。








会社名島根電工株式会社
住所島根県松江市東本町5丁目63番地
資本金2億6,000万円
事業内容電気設備工事
エンジニアリングサービス
代表者名荒木 恭司
従業員数350名(グループ総従業員530名)

島根電工は、今では、島根県でも納税額が5本の指に入るほども優良企業ですが、かつては非常に厳しい時期もありました。建設会社の公共投資が激減し、民間の建て替え需要も大幅に減る状況で厳しい状況になっていたのはご存知の通りです。その中で、島根電工は、公共事業が激減する中で民間にシフトし、しかも大型のビルの電気工事の請負から、なんと、家のお困りごと解決の家庭への修繕に大幅シフトして売上を上げてきました。
数千万円から数億万円の電気工事をやっていた会社が、7割以上が5万円以下の家の修繕を行うのですから相当の変革が必要です。もちろん、当時、常務だった荒木社長の案に社内は大反対でした。特に、数千万の売上を5万円以下にするのですから、「何件やれば、同じ売上になるんだ!」といった抵抗されたそうです。それでも、根気よく社内を説得しましたがなかなか進みません。5万円より数千万円を取ってきた人間が偉い!といった風潮があるのも当然理解できます。特に、長年、建設業でやられてきた方の職人意識は、「いまさら、町の電気屋のようなことができるか!」と猛反発だったとそうです。

そこで、口でいくらいっても難しいと感じた荒木社長は、まずは小規模から家の修繕を行う部隊を立ち上げ、「お助け隊」と名付けてスタートさせました。電球を変えるといった家の中のどんな些細な困りごとにも喜んで、駆けつけて解決する部隊です。



職人の行動観察を徹底的に行いました。すると、工事に行った人間は、お客様から見積もりのお話や依頼以外の修繕の話もいただきますが、その場で答えることができません。営業から連絡させますといった対応で、2度手間3度手間になっています。そこで、その場で価格が見積もりができるソフトを開発しハンディー端末を作ります。このヒントになったのは、自販機のオペレーションを行う方が何かあるとハンディー端末で確認し直ぐに対応している姿を街で見かけたことがきっかけです。今まで工事と営業といった役割があったのを両方できるようにし、しかもその場で、直ぐに見積もりの対応できるようにしました。荒木社長は、このことを「行動のコストダウン」といい、原材料その他のコストダウンは限界にきているので行動をいかに見直すかが大切だといいます。

さらに、TVコマーシャルで「お助け隊」のCMを社員出演で流したり、あの手この手で改革を進めます。こうした努力があって5年間で売上比率が約半分になるまでの大改革を短期間で実現しました。粗利5割は公共工事よりも高く、確かに小口ですが、チリも積もれば・・・ではありませんが、大きく利益貢献するようになりました。私も建設関連のお客様がいますので、職人文化と一言にいいますが、変革が難しいのは理解できます。

組織変革における経営リーダーシップがいかに重要かの好事例だと思います。



島根電工は、日本でいちばん大切にしたい会社3に掲載されています。


【筆者プロフィール】
藤井正隆
株式会社イマージョン代表取締役社長

人を大切にする経営学会理事・事務局長


社会性と経済性を両立させた経営を実現している「いい会社」研究と変革支援がライフワーク。大学院の特任研究員として活動し年間100社以上の全国各地の優良企業を現場視察し、経営学を中心にそのメカニズムを研究。企業事例と理論を融合しわかり易く伝えている。

この記事に付けられたタグ

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

記事を気に入ったらシェア!

合わせて読みたい

オススメの最新記事

この記事と同じカテゴリの相談